小さくたって戦える。尊敬する選手に近づくために、職務質問まで受けた小さな巨人 – 村田将真

陸上がとにかく大好き。村田選手の陸上競技との出会いとは


― 村田選手の陸上競技を始めたきっかけを教えてください

私は、鷹取中学校に入学してから陸上競技を始めました。
小学生の頃から野球、サッカー、ボルダリング、ラグビー、フェンシングなど、様々な競技を経験してきており、その中で走ることが好きなことに気付きました。走りは、全てのスポーツの基盤となる体づくりが出来ると考えています。
また、兄が陸上競技部に所属していた事も影響していると思います。毎日コツコツ努力している兄に憧れ、陸上を本格的に始めました。

― 村田選手にとって陸上の魅力とはなんでしょうか?

陸上は、「走る・跳ぶ・投げる」といった、簡単な事をどれだけ極めらることができるか、という奥深いスポーツです。 何事にもすぐに飽きてしまう性格の私でも、陸上は追求すればするほど難しく、深く、どんどん楽しくなっていき、毎日の生活になくてはならない存在となっています。
誰にでもできることを極めるからこそ、多くの人が、その凄さを理解できることが陸上の魅力だと考えます。

中学時代からの意識が今に活きる。


― 独自の考えや、意識している事はありますか?

与えられたメニューを、何も考えずこなすのではなく、何を意識するかを自分の頭で考えて、1本ずつを大切にするということを意識しています。
これは、私が鷹取中学時代の顧問の先生から学んだことです。このような意識をすることで、次の1本、さらには試合でのレースに活かすことができると考えています。
そんな、私の独自思考を確立する手助けをしていただいた中学の顧問の先生が、「混成競技をやったらどうだ」と提案して頂けなければ、今の自分はないと考えています。全国大会に出場できる選手に育ててくれた恩師にはとても感謝しています。

― 今まの競技人生で最も記憶に残っている大会はなんですか?

全国中学校総合体育大会です。
陸上競技を初めて、最初に憧れてきた大会にも関わらず、出場し結果を残せなかったからです。結果を残せなかった理由は分析して理解しています。それは全国大会に出場が決まり、安心してしまっていたからです。目標を達成してしまったら次へのステップには進めないと学びました。その後は目標を高く設定するように心がけています。

憧れの選手を追い求めて職務質問をされた経験も…


― 尊敬する陸上競技選手はいますか?

私が尊敬する陸上選手は武井壮さんです。
武井さんは今では「百獣の王」とも知られタレントとして有名ですが、元十種競技日本チャンピオンで、私にとって憧れの存在です。
武井さんの真似をして競技と向き合ったのは先程述べましたが、1ファンとしては好きすぎて、TwitterとInstagramのアカウント名を「sosotakei」を真似て「sosomurata」にしました(笑)そして、先日放送された「スポーツ内閣」では、武井さんと念願の共演を果たすことができました!これからも武井さんに少しでも知ってもらえるように競技の励みます。

― 武井壮選手を追い求めるあまり、職務質問されたそうですね…(笑)

そうなんです。憧れの存在である、武井さんの真似して、夜中に倒立で歩き回っていると、職務質問をされたことがあります…(笑)今後はそのような不審者と思われる行為は控えようと思います。
それ以外の取り組みとして、自分のコンディションを確認するためにも、練習で気づいたこと・睡眠時間・食べたもの・体温・体重などを毎日ノートに書くことを習慣付けるようにしています。このような小さな積み重ねを強い選手は、当たり前のように出来ているんだと知り、今でも継続しています。どうすれば武井さんのような強い選手になれるのか、日々追求しています。

小さくても戦える。夢はでっかく日本代表!


― メッセージを送りたい人はいますか?

私にとってライバルであり親友の、社高校の成松選手(現:大阪体育大学)の存在はとても大きいです。高校3年の頃、全国インターハイに出場できず陸上を辞めようとまで自分を追いつめていたときに、彼が「一緒に大学でもっかい混成(十種競技)をしよう!このままで終わってええんか?」と言ってくれて、互いに高校での悔いを晴らすため、大学で花を咲かせることを約束しました。
彼が頑張っているから、私も頑張ることができる。一番のライバルであり、一番の味方でいてくれる彼の存在に感謝しています。お互いに切磋琢磨し、必ず結果を残してみせます。この場を借りて申し上げます、成松くんありがとう!

― そんな村田選手の志と今後の展望を教えてください。

私の志は、40歳、50歳になっても生涯現役で陸上競技を続ける強い選手になる事です。
そのためにも、常に多くのことを意識して競技をしています。陸上競技はいろんな種目において体が大きい方が有利ではありますが、私は小柄な体をどうすれば大きい選手に負けずに戦えるのかということを考えてきました。やはりパワーでは勝てないので、技術面でカバーしようと思いました。例えば、ハードルでは小柄な私の場合、みんなより高く上に跳ばなければなりません。そのため、人より遠く踏み切ることでできるだけ低く跳び、ハードル間をどれだけ速く走れるかといったことを意識しています。
今までの悔いを全て晴らすために、少しでも大きな規模の大会で活躍し、私自身が陸上界の先輩方を尊敬しているように、誰かに尊敬されるような選手になりたいと思っています。

編集後記

先日行われた兵庫県尼崎市中学校合同合宿のコーチとして、村田選手と参加しました。私は短距離コーチで、彼は跳躍のコーチを任されていましたが、彼は練習の合間を縫って坂ダッシュや筋トレをするなど、超絶ストイックな選手でした。プライベート面においても礼儀正しく、アスリートとして成長する上で大切な「人間力」の向上に常に取り組んでいると感じます。小さな体を武器とした村田選手が、大きな体の選手に大差をつけて、トップレベルで戦う日を楽しみにしています。

村田将真(むらたしょうま)

2000年4月21日生まれ 兵庫県神戸市須磨区出身。
鷹取中学校、滝川高校を経て、甲南大学に通う1回生。
身長167cm 体重58kg。
主な戦歴として、近畿中学総体 四種競技第6位・全国中学総体 四種競技出場・兵庫県ユース大会 110mH第4位・兵庫県総体八種競技第6位を持つ。

佐藤 玄主

佐藤 玄主リクゲキ編集部

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1999年11月20日 兵庫県芦屋市出身。毎年1月10日に兵庫県西宮神社で行われる「開門神事福男選び」において1番福を獲得。尼崎市立尼崎高等学校時代には兵庫県ユース優勝、近畿ユース3位、全国高校選抜出場などの記録がある。現在は、株式会社オマツリジャパンでお祭りコーディネーターとして祭りを活用した企業プロモーションやコンサルティングに取り組む傍ら、一般社団法人クロスポイントプロジェクトの代表理事としてリクゲキの運営などに取り組む。

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