全国インターハイ中止決定の知らせを受け、福男”佐藤玄主”が語った。
3年間の努力が報われなくて悲しむのはわかる。しかし、悲しいからと言って、グチを吐いたり誰かを攻撃して良いことにはならない。ただでさえコロナウイルスによる活動自粛でストレスや不安にまみれている今、さらにグチや怒りを上塗りして良いことはない。とは言え、やり場のない怒りや虚しさがある事実は変えようがない。「そんな状況をどう乗り越えていけば良いか?」と自問自答する高校生アスリートたちに佐藤は持論を展開した。
佐藤の持論は4つの視点からなる。そしてその順番に大きな意味がある。
まず高体連、陸連に感謝しよう
今回の決定は非常に難しい問題だ。どのような決定をしたとしても必ず批判の嵐にさらされてしまう。強行すれば「生徒たちの健康は守らないのか!」と批判を受け、中止の決定をすれば「今まで頑張ってきたのにひどい!」と批判を受ける。そんな、どうなっても批判にさらされる状況下で、生徒たちを守る決断を出した高体連には拍手こそすれど、批判すべきではない。感謝すべきことだと思う。高体連の役員の方々も断腸の思いで決断したのだ。その思いに寄り添って感謝するとこから始めてみませんか?
恩師に感謝しよう
選手にとって大会とはなんだろうか。多くの人が自分の日頃の練習の成果を発揮する場、記録を更新する自己成長の確認の場と捉えている。それももちろん正解だが、私は常に「選手にとって大会は、恩師に成長した自分の姿を見える場」だと考えていた。成長した姿を見せることで感謝を伝える場なのだ。その場がなくなってしまったのだからどうすれば良いか。それは悲しみに暮れてグチを吐くことではない。ベストな走りをすることで感謝を伝えるということができないならば、「ここまで成長することができたのは先生のおかげです。走る姿は見せられずに引退になってしまったけど、この経験を糧に、先生に恩返しできるよう受験勉強を頑張ります。」と言うこともできるだろう。立ち止まってグチを吐くだけでは何も生まれない。しかし、前を向いて進むことができれば未来は必ず開けるはずだ。
私に感謝することの大切さを教えてくれたのは、高校時代の陸上部の恩師・金崎雄志先生(市立尼崎高校)だ。選手にとって指導者の存在はかなり大きい。練習の指導をするだけではなく、人間的にも立派に育ててくれる恩師に「ありがとうございました」と伝えてみませんか?
支えてくれた両親に感謝しよう
突然のインターハイ中止のニュースに絶望する高校生と同様、親御さんたちも子どもたちの努力を知っているからこそ辛い思いをしていることであろう。もしかしたら、今日は家族で悲しい思いにくれているかも知れない。悲しみに打ちひしがれているとそればかりにとらわれてしまうが、試合があろうがなかろうがここまで力をつけてくるのにいつも両親の存在があったはずだ。試合があってもなくても、良い結果であっても悪い結果であっても、親への感謝は揺るがないはずだ。だからこそ両親にまず感謝を伝えるところからやってみませんか?
頑張ってきた自分を褒め称えよう
最後に自分を褒め称えて欲しい。試合があってもなくても、ここまで頑張ってきたことに変わりはない。周りの支えてくれた方々に感謝を伝えていくとわかることがある。それは、周りの人が皆、自分のことを応援してくれていたことだ。それは応援してもらえるような頑張りを自分が続けていたからに他ならない。ぜひ、そんな自分の頑張りを自分で褒めてあげてください。
そして、コロナ騒ぎが収束した時には、高校生アスリートの君たちが主体となり「2020年インターハイをもう一度」なんて企画を行えば面白いですよね。価値もあるし、一生に一度の経験ができるでしょう。だって、インターハイ中止なんてそんな頻繁に起こることじゃないんだから。
福男”佐藤玄主”は、人とのご縁を大事にする。
だからこそ、まず周りに感謝するのだ。
そこから始めれば不幸になることはきっとなくなるだろう。