チャレンジ

【箱根駅伝応援企画】天下の険に挑戦してみた!

毎年1月2,3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝

お正月の風物詩とも言われ、日本テレビの放送では30%近い視聴率を獲得するほど人気の国民的行事。来年も無事に箱根駅伝が開催されることが決定した。ただし、主催する関東学生陸上競技連盟は無観客で実施するとし、沿道での応援について自粛を呼びかけた。来年のポスターやプログラムには応援したいから、応援にいかないというキャッチコピーが添えられており、例年の鈴なりの大観衆というわけにはいかない。

毎年、沿道で応援するような熱狂的なファンの方々も今回ばかりはテレビでの観戦となりそうだ。そこで、テレビで箱根駅伝を観戦する方々に、箱根駅伝のコースについて深く知ってもらうことで、1月2、3日をより楽しみに迎えてもらおうという思いで今回の記事を作成することに至った。

今回の記事は、箱根駅伝の目玉でもある5区、山登り。そのコースをリクゲキライターである私が実際に走ってみて、コースの見どころやその苛酷さを伝えようという企画。記事を通して、コースについて知ってもらい、そのコースを駆け抜ける選手の凄さを感じてもらいたい。

5区。箱根駅伝往路の最終区間、5区は小田原から箱根・芦ノ湖までの全長20.8km。高低差約860m。全10区間の中で最も過酷と言われているコースである。

 

小田原中継所・START

風祭駅を降りてすぐの鈴廣のかまぼこの里の道向かいにある「茶房・しゃざ」の駐車場からスタート!スタートしたのはお昼を少し過ぎたあたりだった。

2017年のコース変更により、5区は3kmほど短くなり、最初から軽い上り基調。といっても、3km地点近くにある箱根湯本駅を通過してもまだ緩い上りなので、軽快に走れた。

函嶺洞門バイパス・3.7km地点

日本テレビの中継ではここを定点とし、大型クレーンカメラを使って引きの映像で「ここから本格的な上りの始まり!」ということを演出している。例年は、多くの人が旗を振って応援している。

ここを過ぎてから一気に上り始める。意識せずとも気づかないうちにペースダウンしていた。上り始めてからは自然と目線が足元にいく。足元を見ていると、ストライドが短くなってしまうので、なるべく遠くを見るように心がけた。

延々と続くカーブ

山上りはカーブが多い。このカーブを曲がれば、その先には平坦が待っているかもしれないと、僅かな期待を胸に上り続けていた。

大平台ヘアピンカーブ・7.1km地点

初めの給水地点、大平台のヘアピンカーブ。4kmを過ぎてからの本格的な上りになった3kmで、週に1.2回走る程度の私はもうヘトヘト。反対車線を走る車の運転手さんに声をかけていただき、その声援とテレビで毎年見ていた光景に心弾ませ、頑張ろうと前を向いた。

宮ノ下・9.3km地点

大平台のヘアピンカーブを過ぎてからの約2km、傾斜が少し緩やかになった。しかし、その緩やかさは嵐の前の静けさだった。宮ノ下の交差点を左折した時、また一段と急になった上り坂が待ち受けていた。4km~7kmはなんとか上れるが、宮ノ下以降はそれまでの疲労もあって、足が止まりそうだった。

ここ宮ノ下では例年、選手を大学名ではなく名前で呼びかける「宮ノ下スタイル」と言われる一体感のある応援が行われる。この場所での応援はとても元気をもらえるだろうと思った。また、辺りは温泉地ならではの硫黄の臭いが漂っていた。

小涌谷踏切・10.6km地点

コース中にある唯一の踏切。今年は平常通り運転しているが、昨年は台風19号の被害によって箱根登山鉄道の箱根湯本~強羅間が終日運休となっていた。

こちらは夜に撮った様子。現在公開中の人気映画を彷彿させるような雰囲気。

小涌園付近・11.8km地点

走りに行ったのが11月末だったので、紅葉が美しく、こんな景色を見ることができた。また、この辺りで腰に痛みを感じた。恐らく上りで腸腰筋をよく使い、その付け根である腰に負担がかかったためだろう。

芦之湯・15.7km地点

スタートしてから初めての下り。ここで登り終わったかと思いきや、直線が1キロ弱続くこの道では前をよく見渡すことができ、先にとてつもない上り坂が見えた。絶望的に感じるが、登り切れば最高到達点だと気持ちを奮い立たせた。思い切り腕を振って、勢いで登る。この坂が5区のコースの中で最もキツかった。

国道1号最高地点・16.3km地点

上り切れば、ここから一気に下りが始まる。使う筋肉が大きく異なるため、すぐに膝裏が攣りそうになった。

急降下急カーブ

下りでも細やかなカーブが多く、特に芦ノ湯エネオスの前のカーブは凍っていれば滑ってしまいそうになるほど急なカーブ。上りで体力を使い果たした自分はほぼ惰性で下っていた。

元箱根交差点・19.0km地点

元箱根の歓迎の看板を見て、あと少しでゴールだと嬉しくなった。だが、喜ぶにはまだ早かった。ここからは平坦だが、3km近く一気に駆け下ってきたせいで、ただの平坦の道が上っているように感じられた。

元箱根の大鳥居・19.5km地点

ここまで来れば、あと少し。止まりそうになる足を叩いて奮い立たせ、前へ。

ラストスパート

路面が切り替われば、本当にあと少し。さぁ、ラストスパート!

芦ノ湖駐車場・GOAL/20.8km地点

ゴール地点。テレビで見ていた時は大きな道かと思っていたが、予想より細い道路だった。スタート前、ある程度のタイム設定をしていたが、20.8kmを走り切るのにやっとで、ゴールした時には心身共にボロボロだった。昨年、東京国際大学の選手が5区のゴール直後に「もう走らん」と発したように、私自身も「二度と走りたくない」と思ったが、それと同時に大きな達成感があった。

スポーツの世界において、メディアやSNSで表になるのは輝いている部分ばかりで、影の泥臭い一面は外部に出されず、あまり触れられることがない。この過酷なコースから箱根路を走る選手が裏で泥臭く血の滲むような努力をしていることを感じ取ってもらいたい。

今年の五区はどんなドラマが待ち受けているのか。最後まで読んでいただいた方には例年以上に山を駆け上がる全ての選手を尊敬の眼差しで見てほしい。

体験後記

記事制作としては5区のみですが、他の往路区間(1、2、3、4区)も走ってきました。1~4区にもアップダウンが激しい区間はありましたが、5区は他と比べものにならないほどの過酷さでした。走り終えた次の日は体の痛みで目が覚めました。太ももやふくらはぎだけでなく、腕や肩までもが筋肉痛でパンパンに張っていました。あまり練習せずに甘い気持ちで臨んだことを後悔しました。昨年、四区で区間新記録を更新した青山学院大学の選手がインタビューでこのようにおっしゃっていました。

「10年近くこの1時間のためにやってきました」

選手は箱根駅伝のために学生生活全てをかけて挑む。だからこそ、見る人の心を動かす。箱根路を駆ける選手の凄さを改めて感じました。

カレンダー

2021年5月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31