インタビュー

ウェルビーイングな世の中に!陸上競技の発展の先に見据える日本の豊かな未来・池淵智彦

福岡県生まれ。宗像市立日の里中学校、九州共立大八幡西高等学校(現自由ヶ丘高等学校)、日本大学出身。中学時代に陸上競技を始め、現役時代は走り幅跳びを専門種目としていた。大学卒業後、紆余曲折を経て28歳で起業。その間、陸上競技に触れることはあまりなかったが、2016年を転機として、再び陸上界に深く関わっていくようになった。そしてついに、2020年、トップアスリートによるマンツーマン・少人数でレベルの高い指導を受けることのできる「CORD PARTNERS」や47都道府県に陸上クラブを設置し、陸上業界初の小学生がずっと無料の陸上クラブ「CORD ATHLETE CLUB」をスタート。今後、陸上界に大きな旋風を巻き起こす存在として注目されている。

「ウェルビーイングな世の中をつくりたいんです。その過程で、陸上競技からまずやってみようと。CORDの前身となる企画書を準備していたところに、コロナ禍がやってきて、一気に進みました。」

「かっこいい陸上界にしたい」そんな思いで、CORDの前身となる企画書を作っていた池淵。「やれたら良いなぁ」と思っていたところにコロナがやってきた。その時に、点と点が繋がったのだ。池淵は、このコロナ禍で何か手を打たなければ、いろんなものが音を立てて崩れていく気がしていた。「どこまでできるかはわからないけどやってやる。」池淵はそう気合を入れた。「CORD」には、「繋ぐ」「行動していく」「行動することで人は変わっていく」そんな思いを込めて名前を決めた。そして、ついに動き出したのだ。


ロサンゼルスで見たウェルビーイングな世界

池淵が、あるチームの海外合宿に帯同しロサンゼルスに行った時のことだ。池淵は街並みを見て驚いた。道で子供達や老人達がスポーツを楽しんでいた。ビジネスマンもジョギング等を楽しんでからカフェに行き、ヘルシーな朝食を食べて出勤していく。その姿から、日常の中にスポーツや運動が溶け込んでいるように見えたそして、心身ともに健康的で豊かな生活だから、ストレスも少ないのだろうなと感じた。まさに、ウェルビーイングな生き方だなと池淵は心から思った。そして、日本にもこういう空気が入ってくるとスポーツの立ち位置が変わってくるのではないかと考えた。皆が当たり前のようにスポーツを楽しみ、心身ともに健康的な生活をする。そんな社会を目指したいと考えるようになった。


CORDへの思い


池淵が人生の中で成し遂げたいことには、「ウェルビーイングな世の中を作りたい」という思いが大前提としてある。その一つのパートが「CORD」だった。それをやる上で課題も多い。アスリートの所属先や雇用の問題、子供達の教育、生涯スポーツとしてのスポーツの在り方など多種多様だ。そこに対するチャレンジとして「CORD TRACK AND FIELD CLUB」「CORD PARTNERS」「CORD ATHELETE CLUB」を立ち上げてきた。

そして、次なるステップとして、「CORD AGENCY」をリリースしたいと池淵は考えているまだ構想段階のため、これからPDCAを回して作り上げていく過程にあるが、スポーツ選手のCM出演などの依頼を受けるなど、出版社やメディアとの繋がりも生かしながらキャスティングをやっていきたいと池淵は考えている


学生アスリートの支援


2021年にMINT TOKYOに入社した樋口一馬(法政大学出身)
樋口は入社直後に2021世界リレー日本代表入りを果たした

池淵は学生アスリートの実態を知るために、大学の指導者に話を聞いた。すると、学生アスリートの出口戦略がなさすぎることがわかった。既存のアスリート向けの就職支援はあくまでも大手企業向けのものが多い。一方で、アスリートと二人三脚でやっていきたいと考えている中小企業も沢山あることがわかった。

それを活かす形で、学生陸上選手の支援の1つとして、企業にアスリートとして就職させる支援をしていきたいと考えた。ただ、中小企業であれば活動費が捻出しにくい場合もある。そこで、セカンドスポンサーの獲得支援を考えた。すでに何社かは獲得することができ、就職の斡旋もできている。CORD PARTNERSをやっている関係で、各チームの監督やマネージャーとの繋がりもできていて、これから、さらに大学とどう繋がっていくかが重要になってくるという。これについて池淵は、ボランティア的立ち位置で、競技実績は関係なく1人でも多くの「陸上をやりたい」「陸上を仕事にしたい」という学生の思いが叶うように支援していこうと考えている。


日本のスポーツ・ヘルスケア産業の自立を目指して

池淵は、学生支援等の活動の先に、日本のスポーツ・ヘルスケア産業を自立させるという目標を置いている。日本はアメリカと比べると、スポーツ産業では大きな差がある。そこに風穴を開けていきたい。小さい組織ではあるが、一部、リードしていけるところもあると思っているので、そこはやっていきたいと意気込んでいる。

陸上はあくまで、池淵自身がやっていたから現在の軸足になってはいるが、いずれは陸上以外の全てのアマチュアスポーツで適応していけたらと考えている。2025年にはある程度、形にして大きな波を起こしたい。スポーツをちゃんと仕事にするというのをキーワードにしていると思いは強いかつて、アメリカのスポーツ産業の市場が15兆円だった頃に日本は5兆円だった。今はアメリカは60兆円になっているが、日本は足踏みしている。60兆円とは言わないが、まだまだ可能性はある分野だ。だからこそ、頑張っていきたいと池淵は語る。


CORDの陸上における展開

近年、国が教育現場は働き方改革の流れに乗って、部活動も縮小されていく傾向にある。そんな今だからこそ、地域に陸上クラブがあることの重要性がある。競歩と言えば石川県や富山県、棒高跳びと言えば千葉県か香川県かというように地域によって特色があったりしても良いだろう。池淵は、こう語る。「環境はないけど頑張りたいという子が頼れる拠り所をつくりたい。昔の僕みたいに、きっかけを与えたい。スポーツをきっかけに一歩踏み出せるような子供を増やしたい。日本一の選手をたくさん作りたいわけではない。運動が好きな子を増やしたいし、嫌いになってしまう子を減らしたいし、スポーツで成功体験を味わって欲しいと。

もっとスポーツが民間にフィットしていくためにはコミュニティーづくりが大事だ。池淵自身、地方創生をやっていた関係で健康的なスポーティーな街づくりをしていきたいと考えている。47都道府県、一つの県に4つ5つクラブがあっても良い。A町は短距離、B町は投擲が盛ん等と独自性をつくりながら、過去のキャリアを生かしてスポーツ産業に関わっていける人も増やしていきたいと考える。そこまで広げるには結構時間がかかりそうだが、池淵はやる気だ。地域によってはまだサポーターが少ないところもあるが、興味のある方とはぜひ一緒にやっていきたいと池淵は考えている。


池淵にとって陸上とは、青春とは

池淵は陸上とは私の青春だと熱く語る。「今、2回目の青春をしている。それに会社の全従業員はじめ、協力会社だったり、いろんな人が僕に付き合わされているんです。会社の私物化ってこういうことですね。」と続けた。さらに、青春というのは、若者のためだけのものであってはならない。青春とは、夢を見ることや、それに対する原動力を見つけるための過程だ。最近では若い人たちが、起業したり、経営者になったり、『世の中にイノベーションを起こそう!サービスを作ろう!頑張ろう!』と目がキラキラ、ギラギラしている。そうやって夢を追う、夢を見ることが青春だと思っていると思いは溢れる。

池淵自身は、陸上を不完全燃焼で引退した。大学時代は、祭りの日も、クリスマスの時も練習するほど頑張ったが上手くいかなかった。その気持ちを吐き出せていないから、その続きを今、追いかけている。青春は、成功すれば甘い、失敗すれば酸っぱいものだ。「輝いている人って良いじゃないですか。輝いていたい。だから40歳間近だけど新しいことを色々やっています」と希望に満ちた目で語った。

今後、マスターズ陸上にも参戦予定で、出場する気満々だ。当時の日大のことを思い出す。日大陸上部には厳しさがあった。そして、ストイックさがあった。日本で一番意識の高い組織に大学4年間入れたことは、大手企業で働くこと以上の価値があったと池淵は思っている。だから、会社のデスクに日大のエンブレムを飾っているのだという。日大魂を胸に、マスターズでの活躍も楽しみだ。


人生の目標と今後について

池淵は最後に人生の目標を語った。「ウェルビーイングな世の中というのは無形であり空気のようなもの。2025年に達成できるかと言えば、それこそ、私にとっては一生の課題。範囲を広げて考えれば、環境問題なども絡む。一生の課題の中の一つの目標として、スポーツ産業については2025年に柱を建てれるようにしたい」と。

「CORDは間違いなく日本一素晴らしい選手たちとの繋がりのある組織だ」と池淵は思っている。だからこそ起こせるアクションがある。それだけに、これからはそのアクションを認知してもらえるように、エリアをどんどん増やしていきたいと考えているのだという。だからこそ、「陸上クラブやチームの垣根を越えて、陸上の仕事やっている人、一緒にやろうよ!」という思いがあるのだという。東北などはまだまだサポーターが少ない。ぜひ、東北で一緒にできる方は、池淵に連絡をしてみて欲しい。きっと第2の青春の時計が動き出すだろう。現在は、国と関わりながら次なるアクションを考えている池淵。そんな彼の今後が益々楽しみだ。

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