陸上競技とともに歩んだ人生の軌跡  駒澤大学 並木大介

陸上競技とともに歩んだ人生の軌跡 駒澤大学 並木大介

2024.12.28
2024.12.28
インタビュー

お父さんやお姉さんが陸上競技を行なっていたことで、物心ついた頃から陸上競技に触れ、小学校1年生から競技を始めたという並木さん。中学生になり、本格的に長距離を始め、県大会にも出場。しかし、高校に進学した後、怪我をしてしまい、思うような結果を残すことができず。

県内の大学から推薦も頂いており、選手を継続する道もあったが、強い大学でマネージャーとして4年間頑張りたいという思いが芽生え、指定校推薦で駒澤大学に進学し、マネージャーとしての道を歩み始めた。

 初めての挑戦と成長

入部当初は選手たちの雰囲気や意識の高さに圧倒され、必死に先輩方の背中を追い続けていました。

そんな中、2年生の夏合宿の途中で主務を務めさせて頂くことになり、いきなりの任命に驚いたものの、“チームが勝つ”ために一心で走り抜ける日々でした。他大学さんよりも高い意識を持ち、常にポジティブを心がけ、持ち前の切り替えの早さを活かしてここまでチームを支えてきました。

選手がモチベーション

誰とでもフレンドリーに接する性格を活かしながら、選手たちの個性や調子を見極め、それぞれに合った言葉をかけるようにしています。選手が自己ベストや納得した結果を残して笑顔になっている姿や、選手からの日々の「ありがとう」という言葉に触れる度に頑張ってきて良かったと思います。

 駒澤大学 史上初の駅伝三冠

主務として迎えた初めての年に駅伝を三冠させて頂きました。

史上五校目という快挙、そして駒澤大学史上初、そして何より大八木監督が最後の年でこれらを成し遂げることができ、歴史に花を添えられたことは何よりも大きな誇りです。また、その時の箱根駅伝祝賀会で大八木総監督に「お前たちマネージャーもしっかりやってくれたから、勝てたんだ」という言葉をかけて頂き、忘れられない言葉になりました。

誇らしい仲間  4年生

個性豊かですが、やる時にはしっかりやってくれる頼もしい学年です。

二個上には田澤廉さん(現 トヨタ自動車)、一個上には鈴木芽吹さん(現 トヨタ自動車)、一個下には佐藤圭太という上下共に強い学年で、その間に挟まれていたことで目立たない学年と言われることもありました。

しかし、入学した時には、5000m13分台の選手が1人だったものの、今ではほとんどの選手が13分台で走るまでにも成長してくれました。4年間で大きく成長し、強い選手として卒業を迎えられることはとても嬉しいですし、誇りに思います。

支え合うチーム

今年は、例年と比べると前半シーズンは結果を残せず、夏合宿を経て力をつけたかと思った矢先の全日本大学駅伝、出雲駅伝ではいずれも2位という悔しい結果に終わってしまいました。昨年の強い4年生が抜け、チーム力が落ちるのではと言われる中でも、駅伝シーズンになるとスイッチが入ったように選手の意識が変わり、強い先輩方が抜けた分、 自分が“欠けてはならない”という責任感を持ち、互いに支え合いながら日々の練習に取り組んでいます。

もし箱根駅伝を走れるなら・・・

10区です。

箱根駅伝を1位でゴールし、ゴールテープを切る姿は憧れです。 

感謝をしている方々

家族はもちろんのこと、小学生の頃に陸上競技を教えて下さったクラブチームの先生にもとても感謝をしています。先生はまるで家族のように温かく接して下さり、私に陸上競技の楽しさや奥深さを教えてくれた、かけがえのない存在です。その教えが、今の私の原点です。

総合優勝に向けて “原点と紡 勝利への執念”

他大学さんも力をつけている中で、不安はありますが、とにかく勝ちたいです。

箱根駅伝は当日何が起こるのか分からないからこそ、油断せず、地に足をつけて挑みます。

そして、目指すは総合優勝です。

私たち4年生は、“これまで”と“これからの未来”を紡ぐという意味を込めて、“原点と紡 勝利への執念”というスローガンを掲げました。この言葉を胸に、一つひとつの小さな勝利を積み重ね、最終的には大きな勝利を手にするために、最後まで全力で走り抜きたいと思います。

監督・選手へ

大八木総監督と藤田監督には、私を信じて主務を任せて頂き、とても感謝をしています。

お二人の陸上に対する熱い情熱と深い教えは、競技の枠を超え、人生そのものを学ばせて頂いているような気持ちにさせられます。その学びの恩返しとして、最後には必ず勝利を届けます。

選手には、勝つことの喜びや勝つ雰囲気を味合わせてあげたいです。

チームから16人が選ばれ、その中から10人。チームの代表としてプレッシャーを感じることもあるかと思いますが、監督からの信頼、そして「強い自分が走る」という自信を持って走ってきて欲しいです。

 卒業後もマネージャーの道へ

大八木総監督のご縁もあり、富士通陸上競技部でチームスタッフとして、これからも陸上競技に携わることになりました。総監督や監督にも恩返しができるように、そして違うチームになっても頑張っている姿を見せられるようにこれからも精進します。

 皆さんへ

駒澤大学を応援して下さっている方々にはとにかく感謝の気持ちでいっぱいです。

私自身、陸上競技に出会った当初は、これほどまでに人生を変えるものになると思いもしていませんでした。しかし、陸上競技に対する熱い思い、情熱があるからこそここまで続けられてきたと思います。そんな思いが誰かに伝わり、良い影響を与えられていたら嬉しいです。

 

 

INTERVIEWEE

並木 大介

並木 大介

駒澤大学陸上部 主務
駒澤大学陸上部 主務
千葉県 大多喜高校 出身

WRITER

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熊谷遥未

2001年11月16日東京都出身。田園調布学園を経て法政大学に進学。2023年の日本選手権では、女子400m決勝進出という実績を持つ。自己ベストは400m54.64(2024年8月現在)。現在は、青森県スポーツ協会所属の陸上選手として活動する傍ら、2024年9月より陸上メディア・リクゲキの編集長を務める。