情熱と感謝の気持ちで繋いだ襷  日本大学 阿閉一樹

情熱と感謝の気持ちで繋いだ襷  日本大学 阿閉一樹

2024.12.23
2024.12.23
インタビュー

小学校4年生から地元の陸上クラブで長距離を始め、立山町立雄山中学校時代、そして富山県立富山商業高校時代ともに駅伝で全国大会に出場。その結果、日本大学に指定校推薦で進学を決め、陸上競技部に入部。

悔しさ乗り越えマネージャーへ

選手として大学に入学したものの、度重なる怪我に悩まされ、長い期間満足いく結果を残せませんでした。そこで3年生の夏に監督から「マネージャーをやらないか」という言葉をかけて頂きました。陸上競技を始めた頃から“箱根駅伝に出場する”ことが目標だったので、悔しい気持ちももちろんありましたが、これからは“チームに違う形で貢献しよう”と思い、マネージャーの道へ進むことを決意しました。

マネージャーとしての挑戦

選手の頃とは違い、数字として結果に表れるわけではないので、直接的なやりがいを感じることは難しかったです。また、選手と監督陣の間に立つ立場として、お互いの意見を聞くことにも苦労しました。それでも、チームの縁の下の力持ちとして選手がよりよく練習や試合に臨めるように、できることは何でもしようと自分なりに努力を重ねてきました。

 一番上の立場になって

自分の仕事に責任が増えたことはもちろん、後輩のマネージャーをはじめ周囲の多くのことに目を向け、気を遣うことは大変でした。

それでも、負けず嫌いな性格や持ち前の真面目さで、なんとしてでも乗り越えようとここまで頑張ってきました。

 嬉しい思い出の数々

選手の苦しい場面、辛い場面を近くで見てきたからこそ、試合で良い結果を残してくれた時はとても嬉しいです。また、自己ベストを出してポジティブな言葉を選手から聞けた時には、“自分のサポートしたことが少しでも役に立ったのかな”と思い、自分も選手と同じように報われた気持ちになります。

また、今年の箱根駅伝は自分が入学してから初めての出場でした。付き添いをしていた選手はもちろん、選手の走っている姿、そして襷を繋いでいる姿にはとても感動しました。

かけがえのない同期

個性豊かで、明るい学年です。当初は6人全員が選手として入学してきましたが、現在は選手が3人、マネージャーが3人となりました。マネージャーのみんなは選手から転向したため、同じ苦しさを味わっており、分かり合えることが多くあります。

また、マネージャーになっても変わらずに接してくれる選手のおかげもあり、とても仲が良く、かけがえのない仲間です。

箱根駅伝後にはみんなで駅伝に出たり、旅行に行く計画も立てています。とても楽しみです。 

団結力

学年問わず仲が良く、和気藹々としたチームです。またチームとしては、“全員で一つになり、全員で頑張る“ことを大切にしています。

走る選手もサポートの選手も、それぞれが“戦う気持ち”を持ち、チームの一員であることを理解しながら、お互いを思いやれる、素晴らしいチームです。

もし箱根駅伝を走れるなら・・・

以前、5区で活躍されていた浦野雄平さん(現 富士通陸上競技部)が高校の先輩だったため、5区に憧れがあります。テレビで見ていてとてもかっこいいなと思っていました。

 感謝をしている“家族”

陸上競技を始めた頃から送り迎えや試合の応援など、ずっと近くで見守り、支えてくれた家族には感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返しをすることができず、そこは心残りですが、チームに貢献できるように最後まで頑張るので、見守っていて欲しいです。

最後の箱根駅伝

楽しみと不安が入り混じる中で、選手たちが万全な状態で箱根駅伝に臨めるよう、自分には何ができるのかを考えながら残された時間を過ごしています。来年の箱根駅伝では今年を超える14位以上を目標としています。

先日行われた日体大記録会では多くの選手が自己ベストを更新し、チーム全体が良い波に乗っています。この勢いのまま、みんなで士気を高めていきたいと思います。

監督・選手へ

監督にはこれまでたくさんご迷惑をかけてきたと思います。時には厳しい言葉をかけて頂いたこともありましたが、選手から慕われ、“信じていれば大丈夫”と思わせてくれる監督だからこそ、チームもここまで成長できたと思います。

選手には、“去年を超えるチーム“になれるよう、一丸となって頑張って欲しいです。あのような大舞台で走れることは人生でも中々ない貴重な経験なので、悔いなく楽しんで走ってきて欲しいです。

 陸上競技とは

私の22年間の人生の半分以上を共にした“大切なもの”です。

辛さや苦しさを乗り越えた先にある達成感、そして努力が報われた時の喜びがあるからこそ、ここまで長く関わることができました。私にとって、陸上競技はかけがえのないものです。

今まで沢山の方に支えて頂きました。結果では恩を返すことはできませんでしたが、感謝の気持ちを胸に、箱根駅伝では自分の役割を全うし、陸上人生を締めくくりたいと思います。

日本大学の応援をよろしくお願いします

INTERVIEWEE

阿閉一樹

阿閉一樹

日本大学陸上競技部 特別長距離部門 主務
日本大学陸上競技部 特別長距離部門 主務
富山県立富山商業高校 出身

WRITER

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熊谷遥未

2001年11月16日東京都出身。田園調布学園を経て法政大学に進学。2023年の日本選手権では、女子400m決勝進出という実績を持つ。自己ベストは400m54.64(2024年8月現在)。現在は、青森県スポーツ協会所属の陸上選手として活動する傍ら、2024年9月より陸上メディア・リクゲキの編集長を務める。