多くの経験から成長 かけがえのない陸上競技  立教大学 松本健生

多くの経験から成長 かけがえのない陸上競技 立教大学 松本健生

2024.12.26
2024.12.26
インタビュー

小学校の市の駅伝大会に出場していたものの、当時は陸上競技の魅力を感じていなかったという松本さん。中学校に進学し、卓球部へ入ろうと考えていたが、見学に行くとイメージと異なり、友人に誘われるままに陸上部へ入部。入部当初は、同期の長距離選手10人中8位と目立つ存在ではなかったが、努力を重ね、力をつけ、中学校代表として駅伝大会に出場するまでに成長した。

後悔している高校の競技生活

高校は一般入試で進学しました。陸上部に所属したものの、活動はお遊びの延長程度でした。そして、顧問の先生もやり投げ経験者だったため、練習メニューすらない状態でした。

その状況を見た時に、諦めの気持ちが大きく、また熱意を持って取り組むことができず、今振り返ると、自分たちで提案や相談など、自ら考えて行動すべきだったと強く後悔しています。

そんな中、立教大学に指定校推薦で進学することが決まりました。サークルや部活動をネットで調べていると、“駅伝部に力を入れる”ということをネットで見つけました。問い合わせで見学を申し込み、実際に練習を見学すると、速い選手たちの姿に圧倒されると同時に、“この人たちと一緒なら、きっと素晴らしい景色が見られる”と思い、迷いなく入部を決意しました。

憧れの箱根駅伝を目指して

最初は知識もなく周りにもついていけず、監督から怒られることも多々ありました。しかし、言われたことを吸収し、常に行動することを心がけ、少しずつ環境に馴染んでいきました。

また、選手とのコミュニケーションには苦労しましたが、時間をかけて信頼を築き、今では選手全員と話すことを意識し、特に悩んでいる選手には積極的に声をかけるようにしています。

 

一番上の立場になって

自分が主務になったタイミングで監督が不在となり、引き継ぎもないまま新チームがスタートしました。

自分を犠牲にし、主務の安藤やマネージャーたちと支え合いながらチームを維持し、練習も前年度までのメニューを頼りに主将・副主将をはじめ主力選手とともに考える日々でした。選手の気持ちにも少しずつ差が生まれ、新しく監督がいらっしゃった時にはチームがバラバラでしたが、関東インカレをはじめ、少しずつ試合で結果を残せるようになり、チームにまとまりが生まれていきました。

 選手との絆が支えに

選手が良い結果を出してくれる瞬間は、私にとってのやりがいです。“マネージャーがいないと”と言ってくれる選手たちですが、私もまた“選手がいなければ成り立たない”と感じています。

またある時には、選手から「頑張っている姿を見ている人もいるよ」と言われた時には、とても救われた気持ちになりました。

 

立教大学らしさのチーム

学年問わず仲が良く、いい意味で自由な雰囲気があります。上級生が積極的に後輩に声をかけることで、自然とチームがまとまっていると思います。

 ずっと共に頑張ってきた主将

主将の安藤は監督不在の時、何度も話し合いを重ね、支え合い今まで沢山のことを一緒に乗り越えてきました。当時は自分を犠牲にしてまでチームのことを考えて、監督に代わって頑張ってくれていました。彼がいたから、今のチームがあると思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです。

もし箱根駅伝を走れるなら・・・

自分のタイプ的に華やかな往路よりもひっそりといい走りをしたいタイプなので、復路の繋ぎである7.8区に興味があります。 

最後の箱根駅伝

最後を迎えるということは実感もなく、今は不安が大きいですが、選手の状態は少しずつ上がっているのでとても楽しみです。

運営管理車に乗らせて頂きますが、選手のデータなどを上手く集めることができるか不安ですが、二度とない経験なので噛み締めて箱根路を走りたいと思います。

チームの目標はシード権獲得です。

このチームが始まった時には不安なことばかりでしたが、チームを立て直し、改めて紫に成るという意味である“起紫改成“を胸に頑張りたいと思います。箱根路を立教大学の紫で染めたいですね。

監督・選手へ

監督には多々ご迷惑をおかけしましたが、主務を務めさせて下さりありがとうございました。箱根駅伝ではトイレを我慢しましょう!

選手は、シード権獲得に向けて、マネージャー一同、選手が何不自由なく、走れるようにサポートします。一緒に頑張りましょう!

 感謝があってこその陸上人生

箱根駅伝が私にとって夢で、そして憧れで、そんな夢をここまで追いかけることができてとても幸せです。支えてくれている家族、主務を務めさせて下さった監督をはじめ、マネージャーや選手、みんなに感謝をしたいです。そして、結果で恩返しができるように選手を全力でサポートします。

 

今後は陸上競技から離れてしまうが、駅伝が好きなことは引退しても変わらないので、引き続き応援をしていくという松本さん。

箱根駅伝に出場する選手は上級生が多いので、これからの後輩達に来年・再来年と頑張って欲しいとおっしゃっていました。

そして、箱根駅伝後には同期の選手たちと卒業旅行を企画しているそうです。笑顔で迎えられるといいですね。皆さんで立教大学を応援しましょう!

INTERVIEWEE

松本 健生

松本 健生

立教大学体育会陸上競技部男子駅伝チーム 主務
立教大学体育会陸上競技部男子駅伝チーム 主務
千葉県 日本習志野高校 出身

WRITER

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熊谷遥未

2001年11月16日東京都出身。田園調布学園を経て法政大学に進学。2023年の日本選手権では、女子400m決勝進出という実績を持つ。自己ベストは400m54.64(2024年8月現在)。現在は、青森県スポーツ協会所属の陸上選手として活動する傍ら、2024年9月より陸上メディア・リクゲキの編集長を務める。