箱根駅伝にかける熱い思い  早稲田大学 相川賢人

箱根駅伝にかける熱い思い 早稲田大学 相川賢人

2024.12.27
2024.12.27
インタビュー

小学校4年生の頃友人を誘ってチームを組み、ちびっこ駅伝に出場したことが陸上競技の始まり。当時から地元川崎で箱根駅伝を現地で観戦しており、幼いながらも大学名を背負って走るランナーの姿に憧れを抱いたという。その後、中学・高校と陸上部に所属し、陸上競技に励みながら大学進学を考える中で、昔からの憧れの思い、そして一般入試からでも入部させて頂ける“早稲田大学”で箱根駅伝を目指したいと思い、見事合格をし、入学を決めた。

早稲田大学スポーツ新聞会 提供
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選手からマネージャーへ

選手として入学したものの、故障に苦しみ、周りの練習についていけない日々が続きました。

2年生になった頃、駅伝監督が交代し、チームが変わっていくタイミングでした。当時のキャプテン 鈴木創士さん(現 安川電機陸上部)がチームをまとめて下さっていたことはもちろん、怪我に苦しむ私までにも気を配って下さりました。その姿を見て、“創士さんの作るチームに貢献したい”“マネージャーとしてならチームに貢献できる”と思い、マネージャーになることを決意しました。

選手として箱根駅伝を目指して入学してきたからこそ、悔しさや応援して下さる方への申し訳なさもありましたが、それよりも“チームのために”という気持ちが私を大きく動かしてくれました。

主務としての覚悟

前回の箱根駅伝の閉会式で、優勝した青山学院大学の監督・選手のほか、当時主務の赤坂さんも登壇し、監督・選手と同じメダルを首にかけているのを目にしました。その時、“今の自分も来年、選手と同じメダルをかけられるのか”と自分に問い、“来年は選手と同じメダルを首からかけられるにふさわしい主務になろう”と決めました。その思いは1年間ずっと変わらずに、今日まで取り組んできました。

 選手の活躍

今年、新チームが発足した際、同期の伊福が延岡西日本マラソンで優勝、3年の山口が日本選手権クロカンで優勝し、幸先の良いスタートを切ることができました。結果はもちろんのこと、現地で実際に活躍を見て、一緒に喜びを分かち合えたことが何よりも嬉しかったです。 

同期との絆

私たちの学年は推薦で入学してきた選手が伊藤大志の1人しかおらず、心配されてきた学年でした。

それでも、1年生の頃から学年全員で何度も話し合いを重ね、支え合いながらここまで頑張ってきました。誰1人腐ることなく、真面目に、努力を重ねられる素晴らしい学年です。そんな同期がいるからこそ僕も頑張れていますし、彼らが私のモチベーションです。

特に、キャプテンの伊藤大志とはチームのことを一緒に考え、多くの時間を共有しながら色々なことを乗り越えてきました。だからこそ、13日の大手町では、まずは笑顔の大志に会いたいです。

 “チーム”としての意識

今年のチームは、“全員が勝ちたいと思えるチームにしよう”と主将の伊藤大志が声をかけ続けてきました。

1年間を通して、選手が各々の役割を果たし、上の選手がチームを引っ張り、下の選手も全体の底上げをすることで、ここまでチーム力を高めてきました。この一体感が、箱根駅伝という大舞台での活躍に繋がると信じています。

もし箱根駅伝を走れるなら・・・

自分よりも熱い思いで箱根を目指している選手を間近で見てきているので、僕が走ることより、今サポートしている選手が走ってほしいという気持ちが強いです。

感謝をしている“チーム全員”

マネージャーとして受け入れ、何もわからなかった頃から面倒を見て下さった花田監督。そして、選手だった頃練習後にも関わらず、細かく丁寧に指導して下さった相楽前監督。

そして、ここまで努力を惜しまないその煌めきを見せてくれた選手に感謝の気持ちでいっぱいです。 

阿部健吾さん(日刊スポーツ) 提供

監督・選手へ

監督は、練習後や休日にご飯を誘って下さるほど優しく、今まで沢山お世話になりました。そんな監督と13日の大手町で良い景色を見られるように最後まで頑張ります。

選手やチームのみんなとは、とにかく大手町で、笑顔で会いたいです。

順位も大切ですが、まずは自分たちの走りをして、悔いなく走ってほしいです。

箱根駅伝  総合3位に向けて

総合3位を狙います。エントリーメンバー16人を選ぶ際にも監督がこれまで以上に悩まれていたほど、チームの層が厚くなってきました。最近は選手の状態もさらに上がってきているのでとても楽しみです。

また、今年度は“早稲田人たる覚悟”という、“臙脂のユニフォームを着させて頂く自覚と覚悟を持つ”というスローガンを今年掲げてきました。一般種目の部員が関東インカレ、日本インカレで良い流れを作ってくれました。その流れを、箱根駅伝では長距離ブロックが繋ぎ、来年以降の早稲田大学競走部にも繋げられるように頑張ります。

和田悟志さん 提供

 陸上競技とは・・・

中学生の頃から陸上競技が中心の生活でした。また、大学までの人生設計や培われてきたアイデンティティも陸上競技に出会えたからこそ作られていると思います。

引退しても箱根駅伝が好きなことに変わりはありませんし、今後もどんな形であってもまた陸上競技に関われたらいいなと思います。

箱根駅伝とは選手やスタッフ、関東学連やメディアの方々など箱根駅伝に関わる全ての人がいたからこそ第101回まで歴史を紡ぐことができたと思います。

早稲田スポーツ新聞会提供

そうした歴史の中で、私自身も憧れを持ちながらここまで成長することができました。関わってくださった全ての方に感謝を伝えたいです。 

そして、箱根駅伝を控えた今、沢山の方々から応援のメッセージや差し入れを頂いています。この箱根駅伝という大きな舞台で、日頃からの感謝を結果で恩返しできるように頑張ます。

早稲田大学の応援よろしくお願いいたします。

INTERVIEWEE

相川 賢人

相川 賢人

早稲田大学競走部 駅伝主務
早稲田大学競走部 駅伝主務
神奈川県 生田高校 出身

WRITER

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熊谷遥未

2001年11月16日東京都出身。田園調布学園を経て法政大学に進学。2023年の日本選手権では、女子400m決勝進出という実績を持つ。自己ベストは400m54.64(2024年8月現在)。現在は、青森県スポーツ協会所属の陸上選手として活動する傍ら、2024年9月より陸上メディア・リクゲキの編集長を務める。